SUPER GT
【Rd.4 富士】決勝レポート
2015.08.09
温度計の知らせよりずっと蒸し暑く感じる一日になりました。
結果からお伝えすると、無念のリタイヤでした。
今季初めてスタートドライバーをつとめた井出選手、予選からのトラブルが完全に解決しないままでの挑戦になりましたが、それでも出足はまずまずでした。しかし次第に「左に曲がるとガス欠に似た感じ」(井出選手)との無線があり、そこからは事態が好転することなく“ガス欠症状”が続きました。燃料系トラブルとはいっても電装系に原因があると、チームだけでは解決できない問題です。頭を抱えてしまいました。
ルールで決まっている最低周回数をクリアした井出選手は、予定よりもかなり早くドライバー交代をリクエストしました。このまま走って何も変わらないなら、一度ピットで思いつく限りを潰して再スタートしたいと思ったのです。
チームは少し迷いました。今、0.1秒を争う状況下で何ができるだろうと。でも「諦めたくない!」(井出選手)という無線に応えてピットインしてもらいました。ほんの少しだけでもやれるだけのことはやってみて、あとは中山選手に託します。
中山選手はもちろん状況を把握していましたから、とても冷静に「“ガス欠症状”が収まらなくなってる。」と伝えてきました。さらにピットインして燃料を足してみても変わらず、ストレートでもトップスピードがどんどん落ちてきました。完走扱いの規定周回数クリアが迫っていたので、ピットに戻るという選択肢は最終手段でしたが、中山選手はタイヤに異常を感じでマシンを1コーナーの先で止めざるを得ませんでした。(写真に小さくですが写っています。)
中山選手の判断はギリギリで、本当に力を尽くして止めたのです。マシンが戻ってきて確認したら、これ以上走ったらもっと大きなダメージを受けていたかもしれないとメカニックが口をそろえました。(ラフに入って草も持ち帰り、タイヤカスもたくさん。)
こんなにいろいろ手を尽くしたのにと思うと切なくなりましたが、これがレースなのですね。どこをどうしたら原因をつかめるのか、正直今はお手上げ状態。まるで夏風邪をこじらせたように復活までは時間を要しています。早く主治医に診てもらい、次の鈴鹿で暴れることができるよう完治させなければなりません。
ただ、窮地に立たされた状況でも、私たちの闘志は消えることがありませんでした。リタイヤしたって誰も責めないほどの状態でも、やっぱり常に希望を持ち続けています。今回で3戦連続のリタイヤになったことは消せない事実ですが、あとは上にあがるだけ。応援してくださるみなさんをずっと待たせていることは不甲斐ないですが、どうか見守っていてください。引き続きよろしくお願いいたします!