D1 GRAND PRIX / STREET LEGAL / FORMULA DRIFT
FORMULA DRIFT JAPAN 第4戦 奥伊吹モーターパーク
2016.10.25
~10月14日(金) 練習日~
Rd.4の会場は滋賀県 奥伊吹モーターパーク。競技を行ったコースレイアウトは右図の通りとなる。
ゾーンクリップが3箇所、クリップポイントが2箇所設定され、審査員のRyan Lanteigne, Andy Yen, Robbie Nishidaの3名がそれぞれSTYLE, ANGLE, LINEを採点した。サーキットでなく、スキー場の私有地を使用して行われた為エスケープゾーンはなく、非常にリスクの高いコースとなった。初開催の為、ギア比等のデータはなく、オールマイティに対応できる3.9ファイナルを搭載して練習走行に挑んだ。大きな勾配があり、路面グリップは低い。そして、スタートラインへと帰っていくUターンレイアウトが採用され、参加者全員が初走行という、イコールコンディションとなった。
FormulaDriftJapan、初の開催となる奥伊吹モーターパーク。走行イメージやセットアップのデータはもちろん無く、公式練習日が非常に重要となった。
練習は50分間の走行が2本。タイヤエアはフロントが2.2キロ、リアが2.0キロに設定した。スタート後のストレートは距離があるものの、上り勾配が強い為、思うように加速していかない。上り切った先には外側に岩壁が立ちはだかる1コーナー。この1コーナーが今回非常に審査の配点が高いということで、走行ラインの組み立てやセットアップ、ギア比選択も全て1コーナーをベースに始めていった。
走行直後は砂が浮いていた路面だったが、練習走行後半にはラバーが乗り、グリップ力が向上してきたこともあり、予選走行に向けて非常に良い感触を掴むことができた。
~10月15日(土) 予選日~
【予選順位:3位】
予選1位:横井昌志選手(94pt) 予選2位:ANDREW GRAY選手(91pt)
15日は練習走行→予選といった日程であった。(120分間の練習走行が1ヒート、予選は2本走行)
まずは練習走行。タイヤエアは変更せず、ギア比のみを変更した。ファイナルギアを3.9から4.1にし、ブースト圧を0.2上げ、3速のみを使用するセットを試みた。1コーナー直後に通過する橋の舗装が悪く、公式練習日ではギャップを通過するタイミングとシフトダウンのタイミングが重なり、マシンがフラついていたが、ファイナルギアの変更によりシフトダウンが必要なくなった分、動きにスムーズさが増し、走行レベルが向上した。
予選走行。高得点順に並べられ、トーナメントが組まれる。予選順位においてもポイントが加算される為、予選トップを目指して走行した。
予選1本目。練習走行通り、各クリップ箇所を確実に通過し、ポイントを獲得するというオーダー。特に大きなミスはなかったが、1コーナー進入時のサイドブレーキを使用する時間が長くなり、アウトラインに寄り切れなかったことが減点され、得点は85ポイント。予選1本目終了段階では暫定2位という順位。
予選2本目。更に得点を伸ばすべく振り出し位置を奥にし、角度を増やし、1コーナーのアウトラインを狙った。狙い通りマシンを動かすことができ、アクセル開度も高く、審査員に好評価。得点は88ポイントとなり、予選順位は3位となった。
走行後はメインステージにて予選通過選手32名が紹介され、サイン会が行われた。今ラウンドではUPGARAGEうちわを配布し、お客様一人一人にサインを書かせていただき、プレゼントした。
滋賀県ではMOTORGAMESのようなイベントが開催されるのは珍しいとのことで多数のお客様にご来場いただき、交流を深めることができた。今ラウンドもFORMULA DRIFTの他にFMXや、OK JAPANも行われ、予選日から賑わいを見せていた。
~10月16日(日) 決勝日~
【最終順位:2位】
決勝日は午前8時から50分間の練習走行が設けられた。追走に向け、スポッターと入念なすり合わせをし、先行時には予選同様のベストな走りを、そして後追い時にはショートカットに細心の注意を払い、きっちりと相手に合わせこむという組み立てを行った。
Best32はマシントラブル等により決勝トーナメント進出台数が減っていた為に、シードとなり単独での走行。手を抜くことなく、ベストな走行をした。
Best16 対戦相手はTeamD-FRIENDS AKIHIKO HIRASHIMA選手。(マシン:S15シルビア タイヤ:NANKANG NS-2R)
予選を14位で通過してきた、HIRASHIMA選手。マシンはRB26エンジンを搭載したS15シルビア。車種が同じということもあり、走行ラインが似たものがあったが全体的なアベレージスピードが高い選手。1本目、先行。オーダー通り、全く後ろは気にせず、予選同様の走行。HIRASHIMA選手の方が少し速く、若干差を詰め寄られる。入れ替えて、後追い。1コーナーの進入では突っ込みすぎないよう距離を保っていたものの、Uターン近辺からはしっかりと相手の懐に入り込むことができ、私に軍配。Best8進出となった。
Best8 対戦相手はTeam㈱ながおテクノ☆SSR☆wish KENJI YAMADA選手。(マシン:S15シルビア タイヤ:GOODRIDE)
予選を6位で通過してきた、YAMADA選手。今ラウンドでは進入スピードの高さとキレのある走りで存在感を放っていた。1本目、角度重視で先行でのポイントを取りに行くも、常に近い距離まで詰め寄られる。しかし、入れ替え後は逆に詰め寄り、五分。勝負は決まらずサドンデスとなった。すぐにリアタイヤを新品に交換し、全体的な車速感アップを狙い、タイヤエアを0.8キロ下げた。
サドンデス1本目、先行。1コーナーで後方を走るYAMADA選手が失速してしまう。入れ替えて後追い。YAMADA選手が1コーナーに向けて抜群の飛び込みを見せるも何とか食らいついてゆき、離されることはなかった。1本目のYAMADA選手の失速に減点が入り、私に軍配。Best4進出となった。
Best4 対戦相手は2016年シリーズチャンピオンを獲得したTeamKAZAMA with POWER VEHICLE ANDREW GRAY選手。(マシン:JZX100チェイサー タイヤ:ATR SPORT)
予選を2位で通過してきた、ANDREW選手。全体的なアベレージスピードが早く、かつアングルもあるためかなりの強敵であった。しかしながら、Best4までの対決を見て分析し、1コーナーの飛び込みだけは車重の差を生かして、詰め寄れるのではないかと考えていた。
1本目、後追い。1コーナーの進入に勝負をかけるオーダー。1000馬力近くを発揮する2JZエンジンを搭載したANDREW選手のマシンはさすがにストレートが速く、少し距離が離れてしまうものの、1コーナーの進入では相手より奥でドリフト状態に持ち込み、ANDREW選手の懐に飛び込んだ。この作戦が見事に成功し、1コーナー以降も比較的近い距離でANDREW選手を捕えることができた。
前後入れ替え、先行。私のマシンより車重があるANDREW選手を引き離すべく、1コーナーのドリフト開始ポイントを極限まで遅らせた。深いアングルをつけ、なんとか車速を殺しきったところで、早めに減速をしてしまったANDREW選手のドリフトが少し乱れ、グリップ状態に戻ってしまった。その他のコーナーでは非常に近い距離まで詰め寄られたものの、ANDREW選手のドリフト戻りが大きな減点となり、私に軍配。決勝進出となった。
決勝戦 対戦相手はTeam D-MAX with TOPTUL MASASHI YOKOI選手。(マシン:S15シルビア タイヤ:YOKOHAMA AD08R)
予選1位通過のYOKOI選手。2JZエンジンが搭載された軽量シルビアで、この日もアングル、スピード共にピカイチな選手。
1本目、後追い。スタートで離されぬよう必死に食らいついていくも3速シフトアップ時に私のマシンが失速。大きくドリフトが戻ってしまう。通常よりもひとつ下のギアを使用し、なんとかドリフト状態を持続させようとしたものの大きな減点。
入れ替えて、先行。ベストな走行で挽回を試みるも、またも1コーナーの途中で失速。後追い時同様大きくドリフトの姿勢が戻ってしまう。しかし、その瞬間私に詰め寄っていたYOKOI選手に接触をしてしまう。結果、弾いてしまうような形となりクラッシュ。残念ながらYOKOI選手のマシンが走行不能となり、決勝戦は終了となった。
シリーズランキング8位で迎えたRd.4。準優勝という結果に終わることができ、年間シリーズランキングは4位まで上げることができました。今ラウンドを振り返ると各走行毎周毎周楽しく走ることができており、その中でも入念な作戦立てができていたように思います。マシンのセットアップもかなり仕上がってきており、今期に投入したNEWマシンの性能を発揮できています。
残念ながら決勝戦は思ったように走行することができませんでしたが、私にとって各対戦全てが自信につながりました。次こそ、あと1段上に登り、表彰台の頂点に立ちたいと思います。
今ラウンドにて2016シリーズの活動は終了となります。1年間、たくさんのご声援誠にありがとうございました。