レポート

SUPER GT

Round4 MOTEGI GT 300km RACEレポート

2021年7月21日

SUPER GT Rd.4 MOTEGI300kmRACE(7/17‐18)

9番手スタートから決勝では10位ゴールだが、

この順位から想像しにくい波乱万丈のレースだった

■7月17日:予選(晴れ/気温32度・路面温度43度)

第4戦もてぎの300kmレースが始まった。第2戦富士の後、鈴鹿での第3戦が延期になったため、約2ヶ月ぶりのレースになる。その間、もてぎでのタイヤメーカーのテストに参加して開発は続いていたので、その結果がどのように現れるのか興味深い1戦になるはずだ。

午前中の公式練習ではマシンのフィーリングは今一つだったが…。

今日7月17日(土)のツインリンクもてぎは快晴。気温も路面温度も高く、こんなに晴れなくても良いのに、と思っているチームが絶対に幾つかありそうな程の好天気。午前中の練習走行時は、それでも気温28度と、まだ30度には届いていない中始まった。最初のドライバーは名取選手。マシンのフィーリングを確かめつつ、タイヤを何種類かテストした。途中、ピットインを繰り返しながら1‘49.288を出し、全体でも10位につける。小林選手に交代してからも、同様にタイヤを確認しマシンのセットアップを探っていった。しかし、この段階ではまだ満足いくセットアップは見つからず、課題を持ち越した。午後の予選開始時点では気温35度、路面温度は45度以上に上昇。徐々にタイヤにキツくなるが、一方、練習走行から予選に向けて多くのマシンが走ったことで、路面状況が改善されてもいた。

Q1は名取選手、Q2は小林選手で上位を目指す

予選Q1は名取選手が担当。ウォームアップを重ねて4周目にアタックしたかと思ったがミスがあり、ベストラップは5周目の1’48.836。練習走行時より0.5秒近く縮めて7位でQ1を突破。名取選手は2回続けてQ1突破だ。間に500クラスのQ1を挟んで、いよいよQ2が始まる。

Q2は小林選手が登場。3周のウォームアップの後、4周目に1’48.696を出して9位に入った。やはり午前中に比べ大幅にタイムを短縮。チーフエンジニアの一瀬さんは「練習走行時はまだセットアップに詰める余地があったが、予選に向けて手を入れたのが成功した。ドライバーも感触が良くなったと言ってくれたので、なんとか戦えるところに来たと思う」と語る。

抜きにくいと言われるもてぎでは、久々の一桁台のスタート順位。明日の決勝レースに向け期待が膨らむグリッドを手に入れた。

■小林崇志選手

完璧な予選だったとは言えないが、Q2はそれなりにまとめられた。前回の富士では僕が上手くまとめられなかったので、今回は良かった。午前中はクルマのフィーリングが良くなかったけど、予選では良くなっていたので、クルマをここまで作ってくれたチームに感謝したい。明日はしっかり戦ってポイントを取りに行きます。

 

 

 

■名取鉄平選手

Q1は、結果としては良かったけど、ミスがあって理想のアタックはできなかった。タイヤが一番美味しいところでミスを出しちゃったので、本来ならもう少し良いタイムを出せたと思う。ちょっと悔いが残る走りだった。明日はしっかり追い上げて表彰台に乗りたい。

 

 

 

 

■7月18日:決勝(気温33度・路面温度51度)

山あり谷ありの激しいレースだったが

10位ゴールで今年2度目のポイント獲得!

決勝は7月18日、ツインリンクもてぎで行われた。このコースは1周が4.801kmなので、全63周。当日は、ニュースでご覧になったと思うが、日本各地で真夏日や最高気温を記録した日。ツインリンクもてぎも午前中から気温が上がり、昼には気温33℃、路面温度51℃に達している中、決勝レースがスタートした。

まさかのポジションダウン

TEAM UPGARAGE 18号車のスタートドライバーは小林崇志選手。クレバーな走りに定評あるベテランだけに、誰もが順位アップしか予想していなかったのだが、まさかのダウンに。スタート直後からタイヤのグリップが足りていない様子で、5周目を超えレースペースが安定してきたあたりのラップタイムは1‘52秒台前半。上位グループは1’50秒~51秒台なので、やや厳しいタイム差になっていた。このため9位でスタートした後、わずか7周目には12位、11周目には14位まで下がったしまった。もちろん不本意な走りだったはずだが、なすすべもなく、ポジションをキープするので手一杯のようだった。この状態でしばらく我慢の走りが続く。

レース後半はプッシュしてポジションを回復

規定の、レース距離の1/3を超えたところで早々にピットイン。タイヤ交換、給油、ドライバーは名取鉄平選手に交替してピットアウト。コースに戻った直後は25位前後まで下がっていた。しかし変わった直後の26周目には1’52.124とこの日の最速ラップを記録。この後、名取選手のオーバーテイク、また他車のピットインなどが続き順位は変動して行く。

18号車は32周目に12位まで浮上し、37周目には11位に。しばらくこの順位をキープするが、上位グループとのタイム差は縮められず。この間、アクシデントでFCYが宣言されたこともあり、ポイント圏に食い込むのが現実的な目標になっていた。

レースの2/3が過ぎたころ動きがあった。名取選手がペースの上がらない61号車をパス。10位に浮上したのだ。この後は直後に付いてプッシュしてくる21号車を抑え続けてゴールへ。こうして10位のポイントを獲得し、波乱万丈の第4戦もてぎのレースが終了した。

■一瀬俊浩チーフエンジニア

ポイントは取れたが、なかなか厳しいレースだった。昨日の予選時からこのような結末も予想はしていたが、ポジションを確保するために予選では柔らかめのタイヤを使わざるを得なかった。その中ではうまくやりくりできたと思うが…。

決勝の前半戦はタイヤが厳しかった。予選くらいの路面温度なら大丈夫だったが、50℃を超えると、想定した温度レンジを超えているようでタイムが出なくなった。ただ、NSXの中で唯一ポイントを取れたので、苦手とされるもてぎでよくやれたと思いたい。次に向けてポジティブに考えます(笑)。

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