レポート
Round3 SUZUKA GT 300km RACEレポート
SUPER GT Rd.3 SUZUKA300km
アンラッキーの続いた鈴鹿300㎞レース
決勝レース直前にクラッシュするも
名取選手は怪我無く救出される
■8月21日:予選(曇り/晴れ 気温27度・路面温度31度)
Q1はAグループに入り、ドライバーは名取選手
ミッショントラブルでアタック出来ずに終わる
鈴鹿での第3戦が始まった。COVID-19の影響で、当初予定の6月から約2カ月延期された8月21・22日の開催で、これで前半戦4レースが終了するので、何とかポイントを獲得したいところだ。予選日の21日は、明け方まで降った雨の影響で路面がぬれていたが、午前中の公式練習開始のころには、ほぼドライの状態まで回復していた。走行開始時の気温は26度、路面温度は28度とのアナウンス。
練習走行は名取選手から始まった。最初は、数周走ってはピットに戻り調整を繰り返し、より良いセットアップを求めて手探りが続く。そんな中、5周目に1’59.419を出すが、まだトップとのタイム差は1秒以上ある。さらに周回を重ねた後、赤旗で中断されたタイミングで小林選手に交替。小林選手も走りながら微調整を行うがタイム更新まではならなかった。結局、練習走行では名取選手の出したタイムが自己ベストで、16位で終了した。
午後の予選Q1を担当するのは名取選手。路面はドライコンディションのままだが、気温、路面温度とも若干上昇していた。TEAM UPGARAGEのNSX GT3 18号車は開始直後にコースインしてウォームアップを重ねる。この時点で18号車は、午前中とは見違えるほどにパフォーマンスが上がり、ハンドリングのバランスも良くなっていた。「路面温度が上昇したこと、ラバーがのってきたことなどで、セットアップも調整していますが、調整した以上によくなった」(一瀬チーフエンジニア)
各車準備が整ってくると、まずは61号車が1’58.366を出して暫定トップに。各車はこのタイムを目標にアタックをすることになる。18号車は2周のウオームアップののちにアタック、のはずがタイムが出ない。何とアタックを始めた途端にミッションに不具合が発生し、シフトアップもダウンもできなくなってしまったのだ。午前中の練習走行でも、予選前のウオームアップでも全く症状は出ていなかったので、本当に不意打ちのトラブルになってしまい、この後はアタックできずにAグループ15位で終わった。
■8月22日:決勝(曇り/一時雨 気温31度・路面温度43度)
28番手スタートから上位を目指すはずだったが
決勝前のウォーミングアップ中にコースアウト、クラッシュ!
勝の日曜日午後は曇りながら気温は高く、18号車にとっては望ましい状況だった。スタートドライバーは名取選手。予選で走れなかっただけに気合十分でNSX-GT3に乗り込んだ。ウォームアップ走行が始まる。タイヤを温めるためにペースが上がっていく、その時、アクシデントが!
18号車は130Rに差し掛かったところで右のフロントタイヤが外れてしまい、コントロールを失ってコースアウト、バリアに突っ込んでしまった。半ばスポンジバリアに埋まったが、すぐにレスキューが駆けつけ名取選手を車外に救出。名取選手が自分で立つ姿がモニターに映し出されたので一安心、幸いに火も出なかったので大事にならずに済んだ。タイヤが外れた原因は機材の不調とのことだが、機材管理の徹底など業務フローをチェックして次のレースに備えたい。
■石田誠監督
予選のトラブルに関しては、想定外の部品が壊れてしまった。まだマイレージが来ていない部品で、これはもうしょうがない。防げないトラブルで残念としか言いようがない。日曜日のトラブルは原因がはっきりしていないけど、あってはならないことが起きた。もしかしたら人的な部分もあって防げたかもしれない。詳細は調査中だけど、原因をきちんと究明して今後に活かせるようにして行こうと思っている。マシンの復旧は進んでいて、9月2・3日のタイヤテストに間に合うとのことなので良かった。次の菅生の前にマシンの状態を確認しておきたいからね。
■名取鉄平選手
体はもう大丈夫です。直後は何ともなくて、翌日に肩の筋肉に痛みが出たけど、レントゲンでも異常はなかったので、筋肉を柔らかくする薬をもらって飲んだら良くなりました。今週末もレースがある(スーパーフォーミュラライツで現在ポイントリーダー)ので、早く回復できてよかったです。
今回は、鈴鹿だったのが不幸中の幸いでした。コースの安全対策と設備が充実してるし、救助も早くて助かりました。もし火が出ていたら僕は自力じゃ出られなかったので危なかったかも。肝心のレースは、予選の時はデータ上だけど上位も狙えるかって感じだったので悔しいですね。次のレースで取り返したいです。
■今回は出番がなくなってしまった小林選手(名取選手と選手紹介の合間に談笑)