レポート

SUPER GT

公式テスト 富士 レポート

2022年3月31日

2022公式テスト富士(3月26・27日)

TEAM UPGARAGEのNSX GT3 #18は

テスト初日にセッション1,2ともトップタイム

2日目はウエットで3位、ドライで2位に入る

■開幕戦前の最後の公式テスト

3月26・27日に富士スピードウェイで、シーズン開幕前の最後の公式テストが行われた。今年に入ってからもてぎ、岡山とテストがあり、今回の富士がシーズン前としては最後の公式テストになる。GT300クラスは27台、500クラスは15台と、合計42台が参加して、開幕に向けた調整を行った。

TEAM UPGARAGEはもてぎ、岡山に続き3度目のテストになったが、マシンのエボ22(後述)へのアップデート効果が発揮され、今シーズンの躍進を予感させるこれまでにない結果で終わることができた。ドライバーは、すでにご報告の通り小林嵩志選手と、今年新加入の太田格之進選手。太田選手はSUPER GT初参加だが、期待の若手として注目を集める選手の一人だ。

土曜日午前中のセッションで快走する小林選手、トップタイムを記録

 

■3月26日(土)

Session1(午前) /曇り時々雨/気温=13~14℃/路面温度=14~15℃

Session2(午後) /雨 /気温=12℃/路面温度=13℃

初日午前の走行は小林選手から開始。時折雨がぱらつくものの、路面はほぼドライだった午前中には小林選手が1’36.230を出してトップに、ウェット路面になった午後は太田選手が1’46.308を出してやはりトップに立つなど好結果を残した。これらのタイムは、いろいろ問題を抱えていた昨年の富士の予選Q1のタイムよりも速く、エボ22へのアップデートが良い効果を発揮しているのは間違いなさそうだ。

 

■3月27日(日)

Session3(午前) /雨/気温=15~16℃/路面温度=16~17℃

Session4(午後) /曇り/気温=15~17℃/路面温度=16~18℃

2日目となる日曜日は予報では曇りだったのだが、朝から雨が断続的に降るコンディション。そんな中でも、レインタイヤのセッティングを探る機会にしたりと、各チームはテストメニューを消化して行く。

この日午前中の#18は、太田選手がドライブし、ウェット路面で1’45.299の3番手のタイム。午後は小林選手と太田選手が走ったが、路面はドライに変わり1’36.543の2番手タイムだった。

雨の日曜日午前のセッション、太田選手は今年からSUPER GTに参加だがウェットで3番手に

昨年までの公式テストでは、中団グループの中で走るのがやっとの状況だったが「去年、苦労していたところが、アップデートパーツを組み込んだだけでかなり改善されました。色々ありますが、リヤのジオメトリーが変わったことで、リヤの動きが大きかったNSXのクセが効果的に改善できたようです。富士でいうと100Rなどで効果が顕著ですね。持ち込んだ状態で走り出して、パッと5番手くらいのタイムが出ちゃう。パフォーマンスは上がっている印象です」(チーフエンジニア上城直也さん)

今年は期待できそうなことは間違いないが、ただ、この段階のテストではチームごとにテーマが異なり、マシン重量やタイヤの選択などそれぞれの思惑のなかで開幕に向けた調整を行うのが普通。それを考慮すると、実際のポジションはまだわからないのが本当のところ。確かに予選で前に出られる速さを得られたようだが、決勝でトラブルを出さないように入念なチェックをして4月15日に開幕する岡山に挑む。

 

雨じゃなければできないレインタイヤのテストも行えた

【NSX GT3 evo22】

ホンダ・パフォーマンス・デベロップメントが開発した、NSX GT3のパフォーマンスを高めるためのエボリューションモデル。FIAのGT3レギュレーションに適合し2024年までホモロゲーションが有効。

インタークーラーを強化し、スプリングレートとサスペンションのジオメトリーが見直された。またタイヤ交換をより早く行うためにホイールシステムを変更するなど、多岐にわたる改良が施されている。

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