レポート
Round6 SUGO GT 300km RACE予選レポート
SUPER GT Rd6菅生300㎞RACE 予選(9月16日)
100㎏のウエイトは未知の世界だったが
Q1は難しい状態の路面でも小林選手がトップ通過
Q2は小出選手が手堅く6位に入る
2023年のSUPER GTも残り3戦です。今回の菅生では18号車のサクセスウエイトはついに上限の100㎏に。さすがに100㎏は初めての経験ですが、次の第7戦ではウエイトは半減し、最終戦はウエイトがゼロに戻って年間チャンピオンの決着をつけるレースになるので、その意味では今季最初で最後の重いレースになります。
100㎏の影響が心配ではありましたが、公式練習が始まるとこれは杞憂だったと分かりました。ドライバー二人の評価も高く、ウエイトを気にせずに走れたとのこと。この良い印象のまま午後の予選を迎えることができたのです。
午後の予選Q1では18号車はBグループに入り、小林選手が走ります。予選は14時40分開始予定でしたが、昼過ぎに雨が降り路面が濡れたためAグループのQ1が始まるときにはウエット宣言が出されました。
しかしAグループが走り始めるときには雨は上がっており、クルマが走ることで路面が乾いていきます。
Bグループの開始は多少遅れて14時58分開始。路面の状態は完全には乾ききっていない、まだら模様の状態です。このグループはタイヤ選択が分かれ18号車はスリックタイヤで出ましたが、ウエットタイヤでコースに出たクルマもあります。Q1開始直後、1周目の終わりに早くもピットインして、ウエットからスリックへの交換作業を行うクルマが出ました。
18号車は、小林崇志選手がタイヤに慎重に熱を入れ5周目にアタック。1‘18.449でトップに立ちます。その後も各車のアタックが続きますが、最終的に小林選手の記録を超えるクルマはなくQ1をトップで通過しました。
Q2は小出峻選手が走りました。このころには路面は完全にドライになり、ウエイトの軽いクルマが良いタイムを出し始めます。小出選手は5周目に1‘18.472で6位に。明日の決勝グリッドは6番手になりました。100㎏を積んでこの結果は決勝レースに期待の持てるパフォーマンスです。ちなみに6番手グリッドは今季最高位のポジション。2回優勝していますが、いずれも二ケタ台からの大逆転だったのです。明日の決勝が楽しみです。
■チームコメント
【小出選手】
6番グリッドは今季の予選の中で最上位なんで(笑)。100㎏積んでることを忘れさせるような挙動で、加速感が劣る感じもしないし、思ったよりもいけると感じられました。明日は、ポイント争いをしている56号車が前にいるので、そこを意識しつつポイントが取れるようにレースを戦います。
【小林選手】
Q1のトップ、あのコンディションで。今年は開幕戦から、チームが僕に雨上がりの路面の時にいつもいつも行かせてくれるので、ああいう路面で走る練習はできてる(笑)。その成果が出と思う(笑)。そもそもクルマ自体もバランスが良くて、100㎏積んでも良い動きをしてくれた。そこは良いクルマを作ってくれたチームに感謝です。100㎏積んでないかもと思うくらいの動きだから、確認したらちゃんと積んでるって(笑)。
NSXは去年も78㎏積んだ時の方がバランスは良かった。重心が高めのクルマなのでウエイトを積んで重心を下げた方が動きが良くなる傾向があるから、そういうところがうまくはまったと思う。
明日は何位にせよポイントを持ち帰ることがマストなので、チーム一丸となって頑張りたいです。
【上城チーフエンジニア】
想定以上ですね(笑)。正直に言うとランキングを争うライバルより前に出て、シングルの順位になればいいなと思っていた。でもプラクティスからパフォーマンスが高くてバランスも良くて走れた。
Q1は、路面があの状況だったから小林選手で良かったなと思った(笑)。悪コンディションの時の走りはさすがに小林選手だなと。クルマに関しても良いコメントをもらったので仕上がったと思います。Q1のタイヤは直前まで悩みました。Aグループの様子を見ても水しぶきが上がっていなかったし、天気も急激にざっと雨が来ることもなさそうだし、ということでギャンブルだったけどスリックにした。正解だった。
Q2も小出選手がしっかりタイムを出してくれて6位スタートになった。明日の決勝はしっかりポイントを獲れるように戦って、何とか最終戦までチャンピオン争いができるようにしたい。
【石田監督】
結論から言うと想定以上の結果だった。Q1はトップだし、Q2も6位。10位以内に入ればいいなと思っていたから。ドライバーのコメントでもマシンはバランスが良くて、タイヤも上手に使えている。100㎏は初めてだったけど、うまくいった。重さを感じさせないパフォーマンスが出せた。
決勝はタフなレースになると思うが、ミスを起こさずに完走したい。取りこぼしの無いようにレースすれば結果がついてくると思う。