レポート
Round3 SEPANG 決勝レポート
Rd.3 決勝 レポート
ポールトゥウィン!
◆4年ぶりのポールから挑む決勝
2021年の第7戦もてぎでチームのエース・小林崇志選手、そして名取鉄平選手がコースレコードで掴んだポールから4年。
AMG GT3での初ポールポジションに興奮冷めやらぬまま決勝日を迎えました。
公式練習ではロングランのペースも好調だったことから、レーススタート直後から引き離す展開が理想でしたが…
予選後の抽選の結果、スタートタイヤはB=Q2で使用したタイヤ。
昨日の予選で通常2LAPのアタックを3LAP行ったこともあり、スタートタイヤにやや懸念がありました。
そして迎えたレーススタート。
スターティングドライバーは乗りに乗る野村勇斗選手が担当します。
通常とは異なる3周におよぶフォーメーションラップを経て、ついにグリーンシグナル!
野村選手は2番手の52号車に差を詰められながらも1コーナーを守り切りますが、その後も後ろとの差はほとんどない状態が続きます。
1周目の最終コーナー手前で完全に捕捉され、なんと開幕周でトップの座を明け渡してしまうことに。
さらに、3番手の0号車もペースがよく、野村選手は終始防戦を強いられる厳しい展開となります。
それでも諦めることなく緻密な守りが功を奏し、2位をキープしたままピットインのタイミングとなる20周台へ突入しました。
3位の0号車をはじめ、ほぼすべてのチームがドライバー交代を終えるなか、18号車は野村選手のペースが良いことからピットインのタイミングを見極めます。
そして、トップ52号車がボックスした翌周:29周目に18号車もドライバー交代とタイヤ交換、給油のフルサービスピットを完了。
すると、52号車がピットトラブルでコースへの復帰が遅れた隙を突く形で、ストレート1本分:14秒のリードを確保します。
小林選手はタイヤに熱を入れながらも後続との差を意識してフルプッシュ!
すぐにペースを本来のレーシングスピードへ戻すと、7秒前後のマージンを築きあげました。
その後、レースも終盤に差し掛かる40周目前後では、トラフィックの関係で差を4秒台まで詰められることもありながらもレースは最終局面へ。
徐々にタイヤが限界に近づきペースが落ち始める中でも、ベテラン小林選手はその持てる技術全てで堪え、いよいよファイナルラップへ突入します。
誰もが固唾をのんで見守る状況で、カメラがとらえた最終コーナーへと向かうUPGARAGE AMG GT3のすぐ背後に52号車が!
それでも小林選手は冷静に安定した走りで最終コーナーを立ち上がり、無事トップチェッカーを受けました!
序盤、厳しいペースの中でもルーキーとは思えない粘りを見せた野村選手、そしてチームのエースに相応しい堂々とした走りでチェッカーまで車を導いた小林選手。
2人のドライバーはもちろん、ミスなくピット作業を完遂したメカニック、完璧な戦略を構築したエンジニア。
TEAM UPGARAGEに関わる全ての人々のおかげで、チーム史上初となるポールトゥウィンを達成することができました。
2025シーズンはポテンシャルを感じさせながらも、結果に結びつかない悔しいレースが続いていましたが、異国の地でようやく日頃応援いただいている皆様に報いることができたかと思います。
改めましていつも応援ありがとうございます!
野村勇斗選手
「スタート直後はタイヤに熱が入らず52号車に先行されてしまいましたが、そこから後続の0号車を何とか抑えきり、ピットストップで逆転することができ本当にうれしかったです。」
小林崇志選手
「セパンで(12年越しの)2戦連続ポールトゥウィンができたことはもちろん嬉しく思いますが、1周目でポジションを落としてしまった状況でも野村選手が諦めずにトップに食らいついて頑張って走ってくれましたし、52号車のピットミスはありつつもアウトラップを頑張ったことで再びトップに立つことができました。
そして何よりもチーム全員が考えに考え抜いて良い車に仕上げてくれましたし、タイヤも最後は厳しい状況ではありましたが本当に素晴らしいパフォーマンスを発揮して勝つことができました。
本当に幸せですし、みんなにありがとう!という感じですね。」
石田誠監督
「今シーズンから導入したAMG GT3は高いポテンシャルを発揮していましたが、ここまで開幕戦・第2戦とミスが連続して自滅してしまいました。
何としても良いレースをお見せしたいという思いがあり、昨日のポール、そして今日の優勝と素晴らしいレースをお見せできたのではないかと思います。
そして、大好きなこのマレーシアで優勝できたこと、本当に嬉しく思っています。」