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【2018 SUPER GT 第3戦 鈴鹿】レポート
レース展開に翻弄されるも6位入賞!
【予選】晴れ/ドライ 気温/路面温度 GT300 開始20℃/36℃、GT300終了 19℃/31℃
Q1:1’58.008 GAP 1.847 13番手/29台中 Dr.TAKASHI KOBAYASHI
Q2:1’57.055 GAP 1.524 8番手/14台中 Dr.YUHKI NAKAYAMA
【決勝】 晴れ/ドライ 気温/路面温度 スタート時:21℃/34℃>20周時点:26℃/38℃>40周時点:26℃/36℃
1st:K-tunes RC F GT3 新田/中山 1’48’14.458
2nd:HOPPY 86 MC 松井/坪井 +15.885
3rd:SUBARU BRZ R&D SPORT 井口/山内 +22.555
6th:UPGARAGE 86 MC 中山/小林 +25.354
前戦の富士から2週間と短いスパンで、SUPER GT 第3戦 鈴鹿が開催された。
天候にも恵まれ、サーキットには予選日2万人、決勝日には3万3千人と多くのモータースポーツファンが詰めかけ、大熱狂のレースウィークとなった。
公式練習&予選の行われる19日。この日の鈴鹿サーキットは晴天に恵まれたものの、午前の公式練習は非常に風が強く、サーキット内のファン向けイベントが中止になるなどの影響が出た。
午後に入ってからはやや風も弱まり、15分間のGT300クラス公式予選Q1がスタート。TEAM UPGARAGEは小林選手でQ1に挑みます。多くのマシンがじっくりとタイヤを温めながら周回を重ねアタックを展開していく中、同じ86MCを駆る、HOPPY86の坪井選手が1’56.159と圧倒的なタイムをマーク。鈴鹿を得意とするマザーシャーシなので、UPGARAGEも期待が高まります。しかし、40kgと重いウェイトハンデと直前のセット変更が裏目にでて、小林選手を持ってしても、1’58.008とタイムは伸び悩み、さらには赤旗中断があり、セッションは大混乱。予選再開後も。これ以上のタイムアップは期待できないとのことで、ステイ。Q1は13番手と大苦戦。なんとかギリギリでQ2進出を果たす。
Q1後に、再度セットを変更し、中山選手でQ2に挑みます。
多少車のフィーリングは、よくなったものの根本は改善されず、直線スピードも伸び悩んでしまう。そんな中、中山選手渾身のアタックで1’57.006をマークし、なんとか8番手までジャンプアップを果たす。トップはGT300コースレコードを2秒以上更新する、1’55.531と驚愕のタイムを残した96号車となった。
決勝日は、前日のような強風は収まり、朝から青空が広がる好天に恵まれた鈴鹿サーキット。
SUPER GTと併催で行われるFIA F4レースでのクラッシュ時にサーキット内のシステムトラブルが発生し、当初予定から40分遅れとなる午後3時20分にレーススタートとなった。
TEAM UPGARAGEは優勝を果たした岡山ラウンドと同様に中山選手がスタートドライバーを務める。鈴鹿は去年までの1000kmから300kmのレースになったため、チームはタイヤ無交換作戦敢行で1発逆転優勝を目指す。
中山選手は、スタート直後の第1コーナーで接触を受けるも特に大きなトラブルもなく、順調に周回を重ねていく。高速コーナーが多い鈴鹿サーキットは、タイヤへの負担が大きいサーキットですが、タイヤ無交換に向けて、中山選手はペースを保ちながらもタイヤ・燃費をセーブしたクレバーなドライブで9番手を維持。しかし、中盤争いの混戦もあり、上位集団に徐々に遅れをとる展開。
GT500集団が絡み始めてからも上位陣の順位は変わらず、トップの96号車に大きくリードを広げられてしまったが、13周目で、デグナーカーブ立ち上がりでGT500の39号車のクラッシュによりレースは赤旗ストップとなる。この処理のためセーフティカーが導入され、レースはリセット。広げられた差はなくなりチャンス到来!流れは急激にTEAM UPGARAGEに流れ始めます。
この千載一遇チャンスを生かすべく19周目のリスタートのタイミングでピットイン。中山選手はタイヤをマネジメントしながらもしっかり順位を守り、完璧な仕事をこなす。
予定通り、タイヤは無交換で給油とドライバーチェンジのみを行いピットアウト。同タイミングでピットインした25号車、7号車、65号車よりも前に出ること成功。
小林選手は、まだピットに入っていない96号車、0号車のピットアウトより前に出られるよう、必死でプッシュする。
そして1位を走行する96号車が24周目にピットイン。タイヤを4本交換して、ピットアウトする前に、前に出ることに成功し、UPGARAGE86は見事、実質1位に浮上。
小林選手は、そのまま順調に周回を重ねていく。
そして、ロングランをしていていた0号車が31周目ついにピットイン。ここで0号車が勝負にでて、なんとタイヤ無交換作戦を敢行。
通常FIA-GT3車両はマザーシャーシ勢に比べ車重が重くパワーもあるため、タイヤへの負担が大きく、ピットイン際はタイヤ交換することがほとんど。
まさかの奇策で、ピットタイムを削った0号車が、ぎりぎりの差でUPGARAGE86の前でピットアウト。UPGARAGE86は2位に転落。
小林選手も苦しいタイヤをうまくコントロールし、アウトラップの0号車のオーバーテイクを図りますが、ベテラン谷口選手の巧みなブロックで、なかなか前に出ることができない。
タイヤの非常に摩耗した状態の0号車は、明らかにペースが遅く、小林選手もそのブロックに阻まれ、3位以降の集団に一気に追いつかれてしまう展開に。
マザーシャーシは、非常にダウンフォースの影響が大きいマシンのため、一旦ほかのマシンの後方についてしまうと、ダウンフォースが低下してしまい、タイムが落ちてしまうのに加え、タイヤの摩耗も増してしまうため、小林選手も苦戦を強いられる。
1~5位までが熾烈なデットヒートを繰り広げ、小林選手も必死にドライブするが、タイヤの摩耗やパワー不足もあり5位まで順位を落としてしまう。さらには、60号車・65号車もトップ集団に交わり、まれに見ぬ大混戦の模様に。
そんな中96号車は、予選同様圧倒的な速さを見せつけ、1位に躍り出たまま独走。2位以下を突き放していく。
小林選手もポディウムを狙い必死に食い下がるが、60号車に先行を許し、6位でチェッカーを受ける結果となった。
今回の鈴鹿ラウンドは、ドライバー・マシンともに相性のいい期待が大きいラウンドだったが、レース展開に翻弄され惜しくもポティウムを逃す結果となった。悔しい結果となったが、しっかりポイントを獲得し、シリーズランキングはトップ浮上。
そしてチームとしても、マシンの改善点、チームの改善点など多くの課題が発見することができた。
次戦、タイラウンドは表彰台に立てるようチーム一丸となって戦っていきます。
○シリーズランキング
1st:TEAM UPGARAGE ♯18 34P
2nd:AUTOBACS RACING TEAM AGURI ♯55 34P
3rd:つちやエンジニアリング ♯25 32P