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SUPERT GT

【2018 SUPER GT 第7戦 オートポリス300km】レポート

2018年10月22日

 速さを見せるもまたも不運が重なる悔しい一戦

【予選】天候:晴れ 路面 ドライ 気温/路面温度 Q1開始時15℃/34℃
Q1:1’45.596 GAP 2.054 24番手/29台中 Dr.YUHKI NAKAYAMA

【決勝】天候:晴れ 路面:ドライ 気温/路面温度 スタート時:17度/36度、中盤:18度/34度、終盤:18度/29度
1st:K-tunes RC F GT3 新田/中山 1:56’44.520
2nd:リーガルフロンティア ランボルギーニGT3 佐藤/元嶋 +17.228
3rd:Modulo KENWOOD NSX GT3 道上/大津 +26.403
27th:UPGARAGE 86 MC 中山/小林 +3Lap

 

前戦菅生ラウンドから早1ヶ月。日に日に肌寒さが増し、日も短くなり、冬の足音が聞こえてきた10月20、21日に大分県に位置する、オートポリスにてSUPER GT Rd.7が開催された。

シーズンに入り、多くの実戦・テストを重ね、マシンのセットアップは非常によくなってきていて、ドライバーのマシンへの信頼度も高くなっている。今回のオートポリスもテクニカルなコースのため、マザーシャーシ車両にとっては期待ができるサーキットで、シリーズを争う上でも非常に重要な1戦なので、確実にポディウムフィニッシュを狙いたいところ。

 

公式練習日&予選日となる20日。サーキットは朝から10℃を下回る冷え込みで、秋を通り越し冬のような寒さになった。

午前は公式練習が行われ、TEAM UPGARAGEは小林選手で走行を開始。オートポリスラウンドは公式テストが行われないため、今シーズンは初の走行となる。まずは、小林選手がタイヤの比較を行っていく。今回は、10月のレースということで、ソフトめのタイヤとミディアムのタイヤ2種類を用意。ソフトのタイヤは、ピークのグリップは高いものの、冷え込んだ公式練習時の路面温度がぎりぎり許容範囲のレベル。表面もグレーニング(ささくれ)が見受けられ、予選・レースは固めのタイヤをチョイスすることに。ここから、セットアップを進めていくが、持ち込みのセットアップの時点で仕上がりがよく、大きなセット変更はせず、細かな部分でアジャストをしていく。

その後中山選手にドライバーをチェンジし、マシンの確認を行う。中山選手の確認で、クリップ付近での若干のアンダーステアの指摘があり、そこを修正。タイヤをNewに交換し、ドライバーは再度小林選手で走行を再開。

入念にウォームアップを行い、予選ペースでアタック。ここで01’44.116をマーク。この時点でGT300クラストップタイムを叩き出す。その後、再度中山選手にドライバーチェンジし、今度はロングランを行い、公式練習セッションは終了。

最終的にクラス3番手を記録した。ミディアム系のタイヤで記録したタイムだけに、予選は非常に期待が高まる練習となった。

 

予選が行われる午後は、朝とは打って変わって日差しが強く気温も上昇。公式練習から、マシンも微調整を行い万全の態勢で予選に挑む。

TEAM UPGARAGEはQ1は中山選手ドライブでスタート。タイヤのウォームアップをしっかりと行い、アタックを開始する。午後に入り、気温が上昇したことにより、路面温度もQ1走行時には34℃と朝から15℃近く上がっており、タイヤのグリップが低く非常に難しい状況に。そんな難しい状況の中、中山選手はマシンをねじ伏せ1’45.671をマーク。この時点で13番手とQ1進出に向けては微妙な状況。

さらなるタイムアップを狙い再アタックを始めたタイミングで、スピンして停止してしまった車両があり、赤旗提示でセッションはストップとなってしまう。一旦ピットに戻り、タイヤの内圧調整のみ行い、再度コースイン。

残り時間は約5分で計測2周が限度となる。各車一斉にピットアウトしたため、コース上は混雑気味。短い時間の中で再度タイヤを温め、アタックに入る。若干トラフィックに引っかかる形になってしまいながらも中山選手必死のアタックでタイムを更新し、1’45.596をマーク。しかしながら、結果は悔しい24番手。Q1敗退となった。

急な路面温度変化によるタイヤのマッチングが合わなかったことやトラフィックの影響など、ネガティブな要因が重なり中山選手を持ってしても、タイムを上げきることができず厳しい予選結果となった。

 

決勝日は、少し肌寒いものの晴天に恵まれレース日和となった。サーキットには、2万人と多くのレースファンが駆けつけ、盛り上がりを見せた。

予選は24番手と厳しい結果に終わってしまっただけに、上位進出は狙う為には、レース戦略が非常に重要となってくる。今回は、後方スタートだけにスタートからプッシュしつつ、タイヤ交換数を少なく抑え、一気にライバルを出し抜く作戦。小林選手スタートでレース3分の2を走り、ライバル達とピットタイミングをずらし、中山選手が後半にスパートをかけていく流れで戦う。今シーズンでは、初の試みだ。

フォーメーションラップが終了した、午後2時過ぎにシーズン終盤の熱いレースの火蓋が切って落とされた。大きな混乱もなく小林選手がスタート。ピットスタートになった車両や1周目で接触によってスピンした車両等があったのに加え、小林選手も速さを見せつけ、ライバルをスタート数周で2台パス。19番手と一気に5個ポジションアップ。

しかし、8周目に目の前で競っていた2台が接触し、1台がスピン。クラッシュを避けるためラインを外してスピン車両を避けざるを得なく、大きくタイムロスし、24番手まで後退してしまう。快調にポジションアップをしていただけに、混乱に巻き込まれる形となり非常に歯がゆい展開。

その後、ペースの遅いライバルに蓋されたりでピックアップにも悩まされ、なかなかペースを上げきれないながらも、順調に周回を重ねていたが、コース上に舞う芝や砂が非常に多く、ラジエーターの空気口に溜まることで、風があたりづらくなりエンジン水温が異常に上がり、マシンは大きくパワーダウンするトラブルが発生。

なんとかごまかしながら周回を重ねていたが、18周目にコースアウトしたGT300クラスのマシンがあり、セーフティーカーが導入される。1つ前の集団とは、間が空いてしまっていただけにTEAMUPGARAGEとしては、ラッキーな展開に。

その後22周目にセーフティーカー解除で、レース再開。再開後すぐは、エンジン水温上昇による出力ダウンでラップタイムは伸び悩んでいたが、風圧でダストがなくなったのか、エンジン水温も安定しはじめ、ラップタイムも47秒台連発とハイペースでプッシュを続ける。

小林選手が前半ロングスティントを担当し、順位は42周目ピットインの時点でトップに。ピット作業を短縮すべく、タイヤは左前1本交換。燃料も最低限の補充で約27秒程度のピットストップで中山選手にバトンタッチし、ピットアウト。上位ジャンプアップを図る。

しかし、レース復帰後2周目に最終コーナー手前のコーナーで後ろから強引に仕掛けてきたライバルに押し出されてしまい、若干のコースアウトを喫してしまう。幸いストップしたりが無く、すぐにコース復帰できたが、コース外芝や砂が再度、大量にフロントの空気口に溜まってしまう。これによりまたもエンジン出力が大幅にダウン。エンジン水温も許容範囲を超えてしまい、これ以上の走行はエンジントラブルの元になるため、苦渋の決断でピットイン。

一度ピットBOXへ入り、ラジエーターの空気口に溜まるダストを全て掃除し、再度レース復帰。症状は解消され、中山選手も諦めずに周回を重ねる。しかし、トラブルによって出てしまったビハインドは非常に大きく、27番手でレースを終える。

予選からの悪い流れを断ち切ることができず、決勝もトラブルが発生し、得意なコースながら非常に悔しい結果となった。

 

 

今回のオートポリスラウンドは、公式練習からマシン・ドライバー共に好調で、速さをみせることができていたが、予選から不運が数多く重なる形となってしまい、菅生に引き続き、非常に悔しい結果となってしまった。

早いものでシリーズも次戦もてぎが最終戦。間違いなく速いチームになってきています。もてぎは全車ハンディウエイトが無くなり、ガチンコ勝負。必ず表彰台の真ん中に立ち、1年をいい形で締めくくることのできるよう全力で戦っていきます。

 

 

 

 

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