レポート
Round6 SEATTLE, WASHINGTON
(Friday) 2023年8月11日
練習/予選日
昨年は、予選トップ通過を果たしたもののTOP32で早々にトーナメントを後にすることとなったラウンド、シアトル。シリーズランキング10位以内に食い込む為には同じようなラウンドにしてはならない。今期の課題は先行走行より後追い走行にあり、練習走行は後追い走行をする割合を高めることを決めていた。マシンの調子は良く、練習走行では1周1周自身の課題を克服しながら、組み立てを行っていった。序盤は、タイヤを2周持たせることが困難であったため、マシンのパワーレベルやレブリミッター、最終減速比を調整し、タイヤマネージメントを徹底した。
予選走行。昼間に行われた練習走行時から約10度近く路面温度が下がり、かつバンクの上段には大きな日影ができていた。そのおかげで多くのドライバーが苦戦を強いられており、特にバンク上段はグリップレベルが上がっているように見てうかがえた。予選1本目はそれを加味し、進入速度を少し上げ、しっかりとラインに乗せることを狙った。しかし、それは大きな読み間違えだった。実際にグリップレベルが上がっていたのはバンクの中盤ごろからであり、進入エリアは特に練習走行時とコンディションの差はなかった。練習走行時に比べ、4マイルほど進入速度をあげてドリフトを始めた結果、マシンは一直線へ壁に。左側の前後を強く壁にヒットし、走行続行不能に。1本目は0ptとなった。2本目に向けて、チーム総出でマシンを修復し、完璧ではなかったが時間の許す限りでのベストを尽くし、マシンをスタートラインに運んでくれた。万全ではないマシンをなんとか操り、フィニッシュラインを通過。決してアグレッシブな走りではなかったが、72ptを獲得し、29位で土曜日の決勝に駒を進めることができた。
(Saturday) 2023年8月12日
決勝トーナメント
チームは予選後もマシンの修復に励んでくれていたが、万全な状態に戻ることはなかった。しかし、自身のドライビングミスが引き起こした状態でもある為、現状の最大限を引き出すよう運転することに励んだ。TOP32の対戦相手はGTRadialタイヤ チームメイトである、Travis Reeder選手(BMW E46/GT Radial)。4位で予選通過をしていたTravis選手はかなり乗れているように見えたが、シアトルにおいて追走の鍵となる部分を頭に叩き入れ、勝負へと臨んだ。自身の後追いは完ぺきではなかったものの、終始良い距離を保ち、かつ先行車両と同じラインをスムーズにトレースすることができた。反して、Travis選手はかなりアグレッシブな後追い走行を見せたが最終コーナーで私のマシンに接触し、体勢を崩したために勝負は私へ軍配。TOP16に駒を進めた。
TOP16の対戦相手はニュージャージーラウンドでも対戦をした、Dean Kearney選手(Dodge Viper/GT Radial)。Dean選手はこのシアトルでかなり調子が良いように見えた。V10 ツインターボで1000馬力超を出力するバイパーは大きなバンクでは非常に強い。1本目、後追い。バンク終盤にてブレーキポイントが違うことが予想されたため、アウトゾーン1から2へ進むエリアに注意を払い、走行。先行のDean選手の走行にミスがありアドバンテージ。自身の先行では路温変化によるグリップ上昇だけに気を配り、良い走行をすることができ、私たちはTOP8に進むことができた。
TOP8の対戦相手は強敵、Ryan Tuerck選手(TOYOTA Corrola Hatchback/NITTO)。直4エンジンにオーバーハングの短いハッチバックを操るRyan選手だが、バンクスピードの速さが光っていた。ストレートの加速区間で後れを取ってしまっては追い付けるポイントはない為、スタートは慎重かつアグレッシブに走行した。しかし、直線スピードの慣性をバンクへ持ち込むRyan選手は思った以上に速く、バンク走行の数秒の間に大きく車間距離は開き、その距離は縮まることが無く2台はフィニッシュラインを切った。入れ替えて先行。クリーンかつアグレッシブ、そして相手のミスを誘うべく、大量のタイヤスモークを焚いて走行。しかし、1本目で大きなアドバンテージを獲得していたRyan選手はミスすることなく一定の距離で後追いを続け、完敗。残念ながら私たちはTOP8にてトーナメントを去ることとなった。