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SUPERT GT

【2018 SUPER GT 第8戦 もてぎ250km】レポート

2018年11月13日

まさかのトラブルで不完全燃焼の最終戦に

【予選】天候:晴れ 路面 ドライ 気温/路面温度 Q1開始時22℃/26℃
Q1:1’47.662 GAP 1.109 15番手/29台中 Dr.YUHKI NAKAYAMA

【決勝】天候:晴れ 路面:ドライ 気温/路面温度 スタート時:19度/29度、中盤:19度/20度、終盤:19度/25度
1st:LEON CVSTOS AMG 黒澤/蒲生 1:31’58.983
2nd:TOYOTA PRIUS apr GT 嵯峨/平手 +2.409
3rd:グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口/片岡 +3.786
完走できず:UPGARAGE 86 MC 中山/小林 +39Lap

 

前戦、オートポリスから3週間。早いもので、2018SUPER GTも最終戦。緊張感の高まる中、Rd.8 もてぎ250kmレースがツインリンクもてぎにて開催された。

ツインリンクもてぎは、比較的長い直線から低速コーナーがくるところが多く、ストップ&ゴーの多いサーキットで、軽量なマザーシャーシにとっては、ブレーキングでアドバンテージはあるものの、パワー差も出やすいコースのため、決勝では多少苦戦が予想されるラウンド。なんとか予選で上位につけ、タイヤ無交換作戦でピットタイムを削ってという作戦。菅生、オートポリスと勝負どころのレースで、立て続けに不運に見舞われ、残念ながら、シリーズチャンピオンの可能性はなくなってしまったが、気持ちよくシーズンを終えるためにも、何としてもポディウムフィニッシュを目指したいところ。

 

公式練習・予選が行われる10日。午前中は好天に恵まれるものの、前日の雨と早朝の雨による影響で、コースはウェットコンディション。

午前は、公式練習が行われ、TEAM UPGARAGEは中山選手ドライブでスタート。開始直後は路面はウェットのため、ウェットタイヤを装着し走行を行う。各車一斉にコースインしていくが、チームによってはドライ路面になるまで、ステイするところも。

中山選手もマシンの確認のため、インラップの走行のみでピットイン。ドライタイヤで走行可能なタイミングまで、ステイすることに。

約15分程ステイし、ドライタイヤに交換し、再スタート。しかし、まだ路面は乾ききっておらず、レーシングスピードでの走行はできない状況。タイヤの皮むきのみ行いピットイン。もう1セットの皮むきをするため、再度コースイン。徐々に路面も乾いた部分が出てくる。皮むきを終えピットインし、ここからタイヤの選択を行っていく。今回のラウンドはソフトよりのタイヤとミディアム系のタイヤの2種類を持ちこんだ。まず、ミディアムのタイヤから走行を行う。中山選手がコースインし、順調に周回を重ねる。このスティントで1’48.137のベストラップを記録する。マシンも10月に行われた公式テストのときよりも、ターンインでのアンダーステアは解消されており、中山選手のフィーリングまずまずの様子。ただ、ブレーキング時のマシンの浮き沈みがあるようで、そこの補正とソフトのタイヤに交換を行い、再度コースイン。

マシンのフィーリングを確かめつつ、順調に周回を重ねて、ピットイン。ソフトよりのタイヤは、リアのグリップは高いものの、フロントはゴムの動きが大きくフィーリングが悪いため、今回はミディアム系のタイヤに決定する。そして、小林選手にドライバーを交代し、マシンのチェックを行う。ドライ路面待ちの時間があった影響もあり、小林選手はマシンのチェックの4LAP程度でセッション終了。

公式練習は、中山選手がマークした、1’48.137で12番手の結果に。パワー差もでるサーキットだけに、公式練習はあまり振るわない結果となった。ポディウムフィニッシュを狙う為にも予選結果は非常に重要となるが、想定以上にタイヤのフロントタイヤの摩耗が激しく、タイヤ無交換を行ってジャンプアップを図りたい決勝を想定すると、予選もタイヤ摩耗抑えたセッティングで臨まねばならないため、難しい状況。

 

予選が行われる午後は、午前中の晴れ間は影をひそめ、空は曇り模様に。

予選Q1は、オンタイム進行で14時に開始された。TEAM UPGARAGEは、Q1は中山選手ドライブでスタート。予選で使用したタイヤが決勝のスタートタイヤとなるため、速く走るセットアップを維持しつつも、決勝を意識したセッティングでの走行となるため、非常に難しい状況だが、午前の公式練習からスプリング変更など、できるうる対策をしっかりと施し、万全の態勢で予選に臨む。マシン的に不利なコースとなるが、是が非でも食らいついてQ2進出し、上位スタートを目指したいところ。

約3分の2程のマシンが、開始後すぐにコースイン。中山選手も、早めにコースインし、じっくりとウォームアップを行っていく。ちょうど集団が固まる位置でコースインしたため、間隔を調整しながらアタックのタイミングを見計らう。そして、コースイン後5LAPでアタックを開始する。1アタック目は、1・2の複合コーナーでオーバーステアが出てしまい、若干のタイムロス。後半はうまくまとめ01’47.809を記録。次の周もアタックを続ける。前のラップで若干挙動を乱した、1・2コーナーもうまくまとめ、01’47.662をマークこの時点で15位とQ2進出まであとコンマ1秒のライン。さらなるタイムアップのため中山選手も全力でアタック。セクション1、セクション2で自己ベストを更新し、期待が高まるが後半セクションでタイムアップは果たせず、01’47.818とベスト更新ならず。ラスト1アタック。最後の望みをかけ、フルアタック。しかし、タイヤのピークも迎えてしまっており、タイムの更新はできず、無念のピットイン。結果15番手でQ1敗退となった。悔しいことにQ2進出ラインの14番手とは0.007秒ととつてもない僅差であった。苦手とするコースで、決勝のタイヤ摩耗を考慮したセッティングが影響し、中山選手を持ってしても、Q2進出を果たせず、今のGT300クラスのハイレベルな激しい混戦模様がよくわかる予選となった。

 

決勝日は、朝から好天に恵まれ秋晴れのレース日和となりました。サーキットには、最終戦ということもあってか、3万7千人と昨年を上回る多くのモータースポーツファンが全国から駆け付け、大いに賑わいを見せた。

前日の予選から、マシンも足回りのセットアップさらに変更し、パワー差の出やすい厳しいコースだがなんとかポディウムフィニッシュできるよう、万全の態勢で決勝に臨む。作戦は、当初の予定ではタイヤ無交換作戦決行で、ジャンプアップを狙うというものであったが、公式練習での走行でフロントタイヤの摩耗が想定以上に大きいことがわかり、フロント2輪のみ交換を行う作戦に変更する。

スタートは、中山選手が担当し、タイヤ交換前提のためスタートからプッシュし、上位進出を狙う。GT500・300ともにチャンピオンが決まる最終戦ということもあり、緊張感漂うのなか、5台の白バイ、GT-RとNSXのパトカー2台の先導によるパレードラップ、そしてフォーメーションラップを経て、2時頃にSUPER GT最終戦の火蓋が切って落とされた。

スタート直後から、ストレートスピードに勝るGT3勢のライバルにパスされてしまい、順位を落としてしまう。ストレートスピードが影響しやすいコースなので、仕方がないところもあるが、何かおかしい。チーム皆がそう感じたとき、中山選手から無線が入る。内容は、ステアリングフィールが明らかにおかしく真っすぐ走ることもできないというもの。タイヤ内圧は特に問題なく、スローパンクなどもあまり考えられず、とりあえずは様子を見て走行してもらうことに。しかし、症状はどんどん悪化。中山選手は、そんな車でもなんとかアタックをしてくれていたが、5LAP目についにマシンが壊れてしまう。全く走行できる状況ではなく、スロー走行でなんとかピットイン。すぐさま、タイヤを外しチェックをしたところ、左フロントの足回りの部品が折れてしまっていた。修復には、かなりの時間を要するため完全に勝負権は失ってしまう。しかしチェッカーはなんとしても受けるために、チームは必死に修復を行う。メカニック達の必死の頑張りで、なんとか残り5周のタイミングでコース復帰。完走扱いとはならないものの、しっかりとチェッカーを受け、2018シーズンを終えた。

シーズンを締めくくる最終戦。予想だにしないトラブルで、不完全燃焼でレースを終えることとなった。今回破損してしまった部品も、シーズン前に新品交換し、レース前にも必ずクラックなどがないか細かいチェックをしていたところ。原因は不明であるが、想定を大きく超えるBoP重量加算などがあり、疲労が溜まってしまっていたのかもしれない。今のGTマシンの速さはやはりすさまじいレベルであることがよくわかる結果となった。

 

チーム体制も変わり、開幕戦の岡山優勝で、最高のスタートダッシュを果たした2018年シーズンだったが、その後はトラブルや多くの不運もあり、歯がゆい結果の続く1年となった。しかし、多くの課題を見つけ、徐々に解決することができていて、どんどん強いチームとなっている。今シーズン悔しさをバネに来シーズンこそは、チャンピオンを獲得できるようにオフシーズンもしっかりと準備を行っていきます。

来シーズンの参戦概要は未定ですが、決定次第ご報告をさせて頂きます。今シーズンの多くのご声援、誠にありがとうございました。引き続き、TEAM UPGARAGEの応援を宜しくお願いします。

 

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