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FORMULA DRIFT

【2018 FORMULA DRIFT Rd.3 Atlanta in Road Atlanta】レポート

2018年5月15日

TOP32敗退も走りの完成度は上昇中!

【予選】

27位通過(予選出走台数32台)

【決勝】

TOP32敗退

FormulaDrift Rd.3はジョージア州アトランタにあるRoad Atlantaが会場で開催された。

前会場のようなバンクはないものの、審査区間は非常に高低差があるコースで、スタート後の加速区間は短いが、大きな下り坂となっている為、進入は4速。左コーナー内側に設置されたインクリップ1を通過し、アウトゾーン1・2にかけては大きな上り坂。上りきったあたりで3速へとシフトダウンをする。アウトゾーン2からインクリップ2にかけて減速しながらマシンを旋回させ、駆け上がってきたコーナーを下る。インクリップ3を通過し、フィニッシュというレイアウト。

~予選日5/11(金)~

予選走行までに練習走行が6時間あり、その中で各選手、12周の練習走行ができる。
練習走行がスタート。まずは4.27のファイナルギアを使用し、4速ギアで進入を試みる。1コーナーの回転数やアウトゾーン1・2にかけての車速の伸びは非常に良いが、インクリップ2を通過する際のエンジン回転数がかなり低く、なかなかパワーバンドに入れることができない。それ故、クラッチを多用する為、負担も大きくマシンの姿勢も安定しない。下り始めてからは問題ないものの、数周走行した後ファイナルギアを4.5に変更した。
ファイナルギア変更後はシフトダウンのタイミングを変えた。インクリップ1付近で横方向に進んでいるマシンにトラクションをかけ、縦方向に進めなければならないこと、そして逆バンクによりアウトのラインが見えないアウトゾーン2にマシンをしっかり運ぶことが練習走行中の課題となった。
練習走行終盤、1コーナー進入時に原因不明の逆間接(ステアリングアングルが深くなった際、ロックしコントロールが効かなくなってしまうこと)が発生。逆間接を防止する為、切れ角を減らすストッパーを取り付けたが症状は変わらず、予選走行前に不安が残る状況となってしまった。

予選走行。ステアリングに不安を抱えつつも、走行順が回ってきた。予選走行は2本。ステアリングのことを懸念し、1本目から攻める走行をすることは避けた。練習走行と予選走行でマシンのセットアップ変更は無し、ミスを避けラインに乗せることだけを考えた。
予選1本目の走行。逆間接を懸念して振り出し位置を手前側にし、フットブレーキを強く使わぬように進入。振り返しをし、アウトゾーン1を通過、アウトゾーン2に差し掛かったあたりで急にエンジンのパワー感がなくなった。クラッチを使い、なんとかドリフトが戻らぬよう維持し、立て直してフィニッシュラインを通過。ベストなラインに乗せきれず、ドリフトアングルも安定しなく、スムーズなドリフト走行でなかった為に走行得点は67pt。

予選1本目走行後、ホットピットに停車するとエンジン音に異変があった。1つのシリンダーに火が飛んでいないような音、水温が急激に上がる。すぐにエンジンを止め、1番シリンダーから順にスパークプラグを外す。最初に外した1番シリンダーのプラグには水が付着しており、シリンダー内を覗くと水が入り込んでいた。2~6番シリンダーに異常はなかったものの、予選2本目の走行はリタイヤし、すぐにマシンをガレージに持って帰る判断を下した。

予選1本目の走行直後にマシンをJerryYangRacingのガレージへ持って帰った。今回の救いはアトランタがチームの本拠地だったというところだ。ヘッドガスケットの損傷を疑って、すぐさまエンジンを降ろしヘッドを取り外した。ところが損傷していたのはヘッドガスケットではなく、ヘッド本体であった。水温が上昇した際に水が膨張し、ウォーターラインを突き破ってポートに巣穴が空いている。同じヘッドは使えない。新品の予備はない。しかし、昨年別の原因でブローしたヘッドを研磨し、朝までに組み上げ、搭載した。メカニックは一睡もできないまま、車を完成させ、決勝日の朝に会場へとマシンを運んだ。

~決勝日5/12(土)~


決勝日TOP32の対戦相手は予選6位通過のChelsea Denofa選手(Ford Mustang RTR LS NITTO TIRE)。田口選手はまず後追いからのスタート。スタートから1コーナーに差し掛かるまでは良い距離感を持って進入したが、坂を上り始めたあたりで大きく距離を離された。アウトゾーン2に差し掛かり、大きくブレーキを踏んだところで逆間接が起きさらに距離を離される。車3台分程おいて行かれた状態でフィニッシュラインを切った。

前後を入れ替え、先行のポジション。勝負を覆すには先行で完璧な走りをしなくてはならない。そう意気込んでスタートを切る。車速はないが、アングル・ライン共にとても良い状態で走行することができた。しかし、その背後でピタリと合わせこんだChelsea選手に軍配。TOP32敗退となった。

2018年、FormulaD 第3戦。
今ラウンドはJerryYangRacingのホームタウンということもあり、結果を出したいラウンドであった。
そして昨年5月、初めてFormulaDを観戦したものここ、Road Atlanta。
それから1年、日本から来た【観戦者】を【ドライバー】に変えていただいたスポンサー各社様には改めて感謝でございます。
TOP32で負けてしまう形となりましたが、今ラウンドで学んだことは非常に大きく、
大きなトラブルがあったにもかかわらず、チーム全体で諦めずに戦えたことは言葉の壁など超えて一つ良い経験となりました。
次戦はシリーズ屈指の高バンクトラック New Jersey。
引き続き、応援の程宜しくお願い致します。

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