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SUPERT GT

【2018 SUPER GT 第5戦 富士500mile】レポート

2018年8月6日

苦手とする富士で価値ある9位入賞!

 

 

 

 

 

 

 

 

【予選】 曇り 路面 ドライ 気温/路面温度 Q1開始時32℃/47℃
Q1:1’38.408 GAP 0.378 12番手/28台中 Dr.TAKASHI KOBAYASHI

Q2:1’38.352 GAP 1.040 7番手/28台中 Dr.YUHKI NAKAYAMA

【決勝】天候:曇 コース:ドライ 気温/路面温度 スタート時:32度/47度、15時25分:31度/45度、17時30分:29度/34度、終了時:28度/34度
1st:ARTA BMW M6 GT3 高木/S.ウォーキンショー 4:41’14.166
2nd:グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口/片岡 +1Lap
3rd:TOYOTA PRIUS apr GT 嵯峨/平手 +1Lap
9th:UPGARAGE 86 MC 中山/小林 +2Lap

2018SUPER GT 第5戦富士500mileレースは、真夏の富士スピードウェイにて開催された。前回の第4戦タイラウンドでのクラッシュから急ピッチでマシンを修復し、なんとかに富士ラウンドを迎えることができた。

サーキットには、夏休み中ということもあり、全国から子供連れのファミリーのモータスポーツファンも多く集結し、にぎわいを見せた。
富士スピードウェイは、長いストレートや高速セクションが多いサーキットで、GT3と比べてパワーの劣るマザーシャシー車両は、あまり得意なサーキットではないので、コーナリングスピードを生かし、なんとか予選で上位に食い込み、決勝は800kmと長距離のレースとなるので、ピット戦略などでしっかりとポイント圏内でフィニッシュすることが目標。シリーズを戦う上では、なんとしてもポイントを獲得し、シリーズランキング上位を維持し、後半戦で逆転を狙いたいところ。

公式練習&予選日となる4日は、連日全国で続く酷暑は止むことはなく、マシンにとってもドライバー、メカニックにとっても非常にハードなコンディションとなった。公式練習は、中山選手ドライブでスタート。まずは、タイでクラッシュしてから初の走行となるため、チェック走行を行いピットに戻りマシン各部のチェックを行う。メカニックの頑張りでマシンは問題なく修理されており、ここからタイヤのマッチングを進めて行く。真夏のレースで気温も路面温度も高いが、ドライバーから問題ないとの後押しもあり、ハード系ではなく、ミディアム系のタイヤをチョイス。足回りのセッティングも進めて行く。微調整をしつつ、走行を重ねるがなかなか前後のバランスがよくならず攻めることのできるセッティングを見つけることができない。そんな中、侵入スピードが200kmを超える1コーナーで、ブレーキトラブルが発生した1台のGT500車両が大クラッシュ。コース上には、パーツの破片が散乱しセッションは赤旗中断となる。セッション再開後もセットアップを続け、最終的には多少フィーリングは向上するも、やはりパワー不足が響きベストタイムは19番手と苦戦を強いられる。

予選は、決勝でポイント圏内を目指すためにも、少しでも上のポジションに立つことが求められる。

TEAM UPGARAGEは、小林選手ドライブでQ1に挑む。公式練習のあとにもエアロパーツの調整や車高の調整など細かくセッティング変更を行い、万全の態勢。

予選が開始される頃には、午前中のうだるような暑さが多少落ち着き、路面温度も下がり始める。各車、コースインし入念にフォームアップを行っていく。小林選手もしっかりとフォームアップを行い、クリアラップを見計らいアタックをする。見事1’38.408で7番手タイムをマークし、セッション終了前にピットイン。ライバルの動向を見守る。最後の方でアタックしたマシンが多少いたため、最終的に12番手で予選を終える。練習では苦戦をするも、小林選手のナイスアタックで無事Q1突破を果たす。Q2は中山選手で挑む。Q1での小林選手のフィードバックを元にリアの足回りのセッティングを変更し、走行を開始。こちらも見事なアタックで1’38.352で7番手タイムでQ2を終える。満足行く結果とは言えないが、不利なマシンをドライバー2名のがんばりで何とか表彰台も狙える位置で決勝に挑むことができる結果となった。

決勝日は、来場数38,300人と大盛況。午前中は、太陽は陰りここ最近では比較的涼しいコンディションとなった。午後は、雲もなくなり気温も一気に上がり始める展開。

速さにおける部分では、不利な86MCだが、今回のレースは、500マイルと非常に長距離のレースとなるため、車重が軽いので燃費が良かったり、タイヤの摩耗が少ないというメリットが生かされやすいレースでもあり、ピット戦略が鍵となってくる。ピットストップは最低で4回の義務付けとなる。燃費的に余裕があるため、かなり早い段階で1回のピットインを行い、ライバルとの混戦を避けクリアな状態で走行し、自分たちのペースを維持してジャンプアップを図る作戦。

決勝スタートドライバーは小林選手。やはりパワー不足は非常に厳しくスタート直後に直線でライバルにあっさりと抜かれてしまい順位を12番手まで落としてしまう。予定通り早い段階の6周目でピットインし、ドライバー交代と給油を行い、中山選手がピットアウト。タイヤをいたわりつつ、作戦通りクリアなところで走行することができ、安定したラップを刻み続け暫定8番手で40周を過ぎたころに、2回目のピットイン。ここでは、タイヤ無交換作戦でドライバー交代と給油のみを行い小林選手にバトンタッチ。順調に走行をしていたものの、途中ペースの遅いライバルに前を塞がれてしまい、ペースを上げることができない。直線で大きく引き離されてしまうため、小林選手をもってしてもなかなかオーバーテイクを図ることはできず、歯がゆい展開。スティント後半なんとかブレーキング勝負で、パスしペースを回復し、80周目を過ぎたころに3回目のピットイン。3回目のピットインは4輪タイヤ交換を行って、中山選手が再びピットアウト。中山選手はニュータイヤでペースも回復し、順調に10位前後の順位をキープしつつ、40周以上のロングスティントを危なげなくこなします。そして、120周過ぎに4回目の最後のピットイン。今回は前後左側の2輪だけ交換をし、ピット作業短縮を図る。ドライバー交代と給油も行い、無事にピットアウト。最終スティントも小林選手がしっかりと安定したラップを刻み、10位を走行。レース終盤にトラブルが発生した車両があり、最終9位で162周を無事に走り切りチェッカーを受ける。

コース的に不利なマシンで、パワー不足もあり非常に不安要素の多いレースでしたが、結果はポイント圏内の9位で、貴重なポイントを獲得することができた。最高速度が最大15kmも違う苦しい展開の中で、ピット作業もしっかりとこなし、レースも危なげなく走行することができ、チームの底力も上がってきている。

シリーズは残り3戦、菅生・オートポリス・茂木へ向け、マシンのアップデートやチーム力をさらに向上させ、チャンピオン獲得へ全力で挑んでいきます。

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