ニュース&レポート

FORMULA DRIFT REPORT

FormulaDRIFT Rd.3/Rd.4 Seattleのレース参戦レポート

2020年10月16日

Round.3 (Saturday) 2020926

FormulaDRIFT 開催コースの中でも、ハイスピードかつテクニカルなレイアウトで知られるシアトル Evergreen Speedway。例年は7月に開催される会場であるが、今期は9月下旬に開催。9月から雨期に入ることで知られるシアトル、開催前から雨天での開催が予想された。会場入り2週間前、私たちはチーム本拠地であるジョージア州アトランタにて2日間のマシンテストを実行。そこでは幸いにも、ウェット路面・ドライ路面どちらも走行することができ、今期使用しているGTRadial Champiro SX2 RSのウェット路面における走行性能ならびにセットアップのデータも取ることができた。

 シアトル初日の練習走行は、ハーフウェット。事前テストのおかげでウェット路面においてのセットアップには不安なし。ドライ路面では、前ラウンドで発生したステアリングトラブルが、バンク終盤にフロント荷重となったシチュエーションでのみ起こるという状態であった。ドライでの練習走行は5本ほど走行し、フィニッシュラインを切れたのは1本の走行のみ。他はすべて同じコーナーでステアリングをコントロールすることが容易でなく、スピンまたはコースアウトをしてしまう状況であった。フロント周りの調整を都度行い、最終ラップに無事理想的なライントレースが取れたが、ドライ路面走行時に不安が残る練習走行となった。

あああ

TOP32の対戦相手はスイスから参戦、ルーキーのYves Meyer選手(TeamDriftForce / BMW F22 EUROFIGHTER NEXEN TIRE)。それまでドライ路面を保っていたが、私の出走直前に大粒の雨が降り始める。ウォームアップを開始したあたりでの降雨だった為、セッティングはドライのまま。1本目は先行走行。慎重にバンクに突入するも、降り始めの雨で、かなり路面はスリッピー。バンク中盤で私が壁との距離を調整中少し減速気味になったところでYves選手が私にヒット。勢いは軽くなく、そのまま2台ともウォールに張り付いてしまう。私は左側前後のサスペンションに大きなダメージを負い、15分間のマシン修復時間が与えられる。ギリギリで修理が終わり、コースに復帰。しかしながら、修理した足回りのアライメントは全く取れていなく、後追いは相手に詰め寄るどころか、ウェット路面上で自身のマシンをコントロールするのでいっぱいいっぱい。何とかフィニッシュラインを切り、審議の結果接触はYves選手に落ち度があるという審査となり、TOP16に駒を進めた。

 TOP16の対戦相手はDylan Hughes選手(TeamHuddyRacing / BMW E46 AchillesRadial)。TOP16対戦時の路面は完全ドライ。Dylan選手はワシントン州出身、レース開催地であるEvergreenSpeedwayをホームコースとしており、昨年は競合を破ってTOP8まで進出している実力を持っており、接戦となることが予想された。1本目は先行走行。バンク中盤からDylan選手にかなり詰め寄られていたが、最終コーナー手前の振り返し時に私の左リアとDylan選手の右フロントが接触。相手車両は私の車両のクラッシュバーに接触したため、私のマシンのサスペンションにはダメージがなかったもの、Dylan選手はサスペンションにダメージを負い、修理の為5分間のタイムアウトを行う。無事、相手チームは修理を終え、前後入れ替え、私が後追い走行。スタートは成功し、相手車両に対しとても良い距離間でバンクに進入したが、Dylan選手のマシンが走行ラインを外し、それが審査に対して大きな減点となり、勝負は私に軍配。TOP8へと駒を進めた。

 TOP8の対戦相手はVaughn Gittin Jr選手(TeamRTR Motorsports / Ford Mustang RTR Nitto tire)。アメリカのドリフトシーンにおいて長年Fordワークスドライバーとして前戦で活躍し続けているドライバー。1本目は後追い走行。どのコースでも車速の速さが目立つ車両なので、発進から慎重にスタート。バンクに相手車両と同タイミングで進入できたものの、バンク中盤→後半へとじりじりと距離を離されてしまう。相手の先行走行にもミスがあったものの、それよりも相手車両に対して距離が開いてしまっていることが目立つような1本目の走行であった。バンクでは、Vaughn選手の車速に合わせると私の車両のギアが足らず、レブリミッターに当たってしまう状況であった。前後入れ替え、私が先行走行。ライン・アングル共にとても良い状態でフィニッシュラインまでマシンを運ぶことができたが、私の背後に終始良い状態で追走できていたVaughn選手に勝負は軍配。審査員3名中2名がVaughn選手に票を入れ、1名がOneMoreTimeに票を入れる形となり、勝負あり。

シアトル Rd.3は、TOP8でフィニッシュとなった。

Round.4 (Sunday) 2020927

ダブルヘッダー2日目、Rd.4は終日ドライ路面での開催。Rd.3での経験を活かし、バンク中の車速アップを図るべく、ギアを伸ばす方向に調整。それと同時にバンク走行中に横方向のグリップを高める為、アライメントを変更。今期使用しているコイルメーカー[YellowSpeedRacing]のエンジニアと打ち合わせを行い、スプリングレートは変えずにバンプ・リバンプの調整を施した。

 練習走行では、前日夜の間に降り続いた雨がコース上に残り、ところどころ濡れている箇所があることに加え、路温が著しく低く、バンク走行中のクラッシュが多発。私自身も路面に翻弄され、あまり良い状態で練習走行をこなすことができず、変更したセットアップの手ごたえを感じる間もなく、練習走行を終える形となった。

 TOP32の対戦相手は同じGTRadialのチームメイトである、Ryan Litteral選手(TeamKORU WORKS / NISSAN 350Z GTRadial)。1本目は先行走行。私が走行する頃にはコースは完全ドライ。思い切りバンクに飛び込むことができた。バンク終盤、前日同様の位置で減速を開始し、バンクを下り始めるも、マシンの横方向のグリップが向上したことにより、狙っているOutside Zone2までマシンが飛びきらなかった。無理に修正を行い、マシンをコース外側に運ぶも、アクセルオフの時間が長く、マシンの動きもギクシャクしてしまい、姿勢を崩す。そのままOutside Zone3に飛び込んだため、マシンのコントロールがかなり困難となり、アクセルオンまでに時間を要している間にRyan選手が私のマシンの懐に飛び込んでくる。2台は接触するも、お互い姿勢は崩れず、フィニッシュラインを切る。1本目走行は私が相手にアドバンテージを与えてしまうような先行走行となった。巻き返し必須となる後追い走行。バンク進入時から、勝負をかけに行く。しかし、Ryan選手とアクセルオンのタイミングが合わず、結果的にハードブレーキを要するシチュエーションとなってしまう。バンク中盤で車間を取り戻し、相手といい距離を保ったまま、Outside Zone2に飛び込んだところでRyan選手のマシンが大きくふらつく。あわや接触というところだったがギリギリ避け、Outside Zone3あたりから再度追走を続けた。しかし、Ryan選手のマシンはOutside Zone2でほとんどストレートになっていたことから大きな減点が入り、勝負は私に軍配。ギリギリの勝負であったが、GTRadial対決は私が勝利し、TOP16に駒を進めた。

TOP16対戦相手はTaylor Hull選手(TeamAsphaltAnarchy / Cadilac CTS-V AchillesRadial)。今期唯一のCadilac CTS-Vで参戦するTaylor選手はV8スーパーチャージャーを搭載し、週末は安定した走りを見せていた。1本目は後追い走行。バンク進入後、TOP32の対戦同様に相手とアクセルオンのタイミングが合わずマシンの姿勢を乱す。バンク中盤で再度食らいつき、そこからはかなり近距離にマシンを運び、フィニッシュラインを切った。入れ替えて、先行。後追い走行ではバンクで自身にミスがあったこともあり、攻めが求められた。 TOP32の先行ではバンク終盤でミスが出てしまったため、減速タイミングを遅らせることを意識し、走行。しかし、それでもまだ減速位置が合わず走行ラインが少し乱れてしまう。Taylor選手とは常時車両1台分ほどの距離が開いたまま、フィニッシュラインを切った。ジャッジの判定は、OneMoreTime。今期初の再戦となった。

 フレッシュなタイヤに履き替え、スタートラインへ。Taylor選手は車速が速い選手ではなく、私は後追い時相手との距離調整に非常に手こずっていた。OneMoreTime1本目、後追い走行。1本目の後追いに比べ、全体的に距離も近く攻めるに攻めたが、要所要所自身のミスも出た。セーフティではない折り返しとなった。1本目を折り返し入れ替えとなったタイミングでTylor選手が5分間のタイムアウトを申告した。車両トラブル、ということであった。しかし、このタイムアウトが私たちチームの計算を狂わせる。タイヤウォームアップ・先行・後追い、この走行距離に合わせ、ギア比を設定していた2日目。相手チームのタイムアウトにより、一度タイヤが冷え切ってしまった私たちは2度目のタイヤウォームアップをすることとなる。タイヤのライフが不安となった。あまり過空転を起こさず、微力な摩擦だけを起こしタイヤを減らさぬようウォームアップ。そして、入れ替えた先行走行。ミスが出ていたバンク終盤も距離がバッチリと合い、週末で最高の走りをすることができた。アクセル開度も高く、車速もあり、アングルもある。しかし、Inside Clip1を通過したあたりで、タイヤライフの限界を少し感じた。振り返して、最終コーナー。アクセルオンをしたときには、タイヤがほぼなく私は激しくスピンを喫してしまう。これにより、私の得点はゼロ。もちろん勝負はTylor選手のものとなる。Rd.4 TOP16では私たちのタイヤマネージメントの失敗により、負けを喫する結果となった。

For English : https://d1ms.upgarage.com/2020/2157/

RELATED CONTENTS

個人サポーター加入はこちらから