レポート

FORMULA DRIFT

Round6 MONROE, WASHINGTON Race report

2022年10月12日

2022年8月5日
今ラウンドはプロスペックのレースはなく、プロクラスの単独開催。その為、公式練習と予選は同日での開催となる。前ラウンドで数々のバトル、そしてクラッシュを戦い抜いた私たちのマシンは、今ラウンド前にサスペンションアーム、コイルオーバー、ステアリングラック等すべて新品パーツに変更した。しかしながら、テストを行うことができる日程はなく、マシンはそのままレース会場であるシアトルへと運ばれた。2枠、それぞれ2時間の練習走行。会場にて全チェック、アライメントを終え、1枠目の練習走行へ向かうべく、ピットからマシンを運ぶ。しかし、そこでステアリング系統の異変に気が付く。通常より、ステアリングフィールが重く、そしてわずかにジャダーが発生する。急遽マシンをピットへ戻し、チームが確認。そして、パワーステアリングポンプ、ステアリングラックを予備のものに交換。1枠目の練習走行に参加することはできず、観客スタンドから各ドライバーの走行を見ながら、チームの作業完了の時を待った。
結果的に、現状持ち合わせていた部品では修理をしきれず、予選はステアリングに不安を抱えた状態で走ることに。チームは、クルーを1人部品調達へ向かわせ、決勝日には直す準備を行った。高速バンクトラックでステアリングがうまく動かないのはかなりストレスであったが、練習走行1枠のみのなかでフィーリングを確かめ、50%ほどのマシン性能を100%出し切れるドライブができるよう切り替えて集中した。当初、2枠の練習走行でトータル12周を走行する予定であったが、修理に時間を取られてしまった為、予選前に走行できたのは5周のみ。そして、マシンをコントロールするのは容易ではなく、5周したうちすべてがスピン等のミスを誘発し、非常に不安な状況で予選へと挑むこととなった。
予選本番。日が長いこの時期は、予選開始が夕方6時でも、練習走行時とほぼ路温は変わらぬ状況。チームオーダーはとにかく、マシンをフィニッシュラインまで持っていき、決勝日に駒を進めること。私は不安な内容だった練習走行からのストレスを感じないよう自分のマインドのコントロールを意識し、リラックスした状態でマシンをスタートラインへと運んだ。”ポイントを抑え、スムーズにマシンを動かし、無理はしない”まるで前ラウンドの予選時とは全く違うマインドで予選に挑んだ。
シケインを通過し、ストレートを加速。バンクでは角度変化を抑えるためにアクセルワークは丁寧に。振り返しは、ステアリングに不安があるのでクイックにマシンを動かさず、スムーズなコントロールを意識。無事、大きなミスなく、マシンはしっかりと各ライン、ゾーンへ運んだ状態でフィニッシュラインを通過した。結果は、93pt。チーム、自身共に全く予想していなかった今期2度目の予選トップ通過を果たした。
2022年8月6日
決勝日。チームが用意したパーツにより、マシンは完璧な状態に戻された。金曜日の練習走行ではトラブルが理由で追走練習が行えなかった為、若干の不安が残る。過去4年の同トラックの追走イメージを思い出し、トーナメントへと臨んだ。
TOP32の対戦相手はGTRadial USAチームメイト、Dan Burkett選手(TOYOTA JZA80 SUPRA / GTRadial USA)。1本目は先行。私の先行走行にミスはなし。Dan選手は数か所で接近をみせていたが、マシンを置く位置が私よりもイン側にあり大きなアドバンテージにはならないだろうというスポッターの判断。しかし、ワンモアタイムを避け、1回の勝負で勝ちを決めたいというチームのオーダーがあり、入れ替えた後追いは少しの攻めを要された。バンク上のスピードはDan選手と私は大きな差が無いというスポッターからの情報をもとにバンクでは相手の懐に入ることを狙った。シケインを通過し、スタート。良い距離感をもって2台でバンクへと進入。しかし、バンク終盤、アウトゾーンを走り切る前にDan選手がイン側へと向かってきた。私は行き場を失い、強くブレーキ。その直後にDan選手はハンドブレーキで本来の走行ラインへ乗せるために修正をしたのが見えた。自身のドリフト状態を維持するべく、アクセルを入れるがDan選手のラインと私のラインはクロスした状態で私はアウトへと流される。場所が悪く、Dan選手のマシンから発生するタイヤスモークにより、私の視界は失われた。私はマシンの姿勢を立て直すことができず、コースアウト。そしてジャッジは2人が私のミスと判断、他の1人は先行を走行するDan選手のミスであると判断。
チームはビデオ判定を求めるプロテストを行ったが、認められることはなく、公式にDan選手の勝利が発表された。優勝直後のラウンド、非常に悔しい結果となったが、私たちはTOP32でトーナメントを退いた。

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